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Databricks 概要と主要機能まとめ

データエンジニア認定資格(Associate / Professional)学習の土台として、Databricks が「何であるか」「どんな機能があるか」を体系的に整理したドキュメントです。 図は Mermaid で記述しているため、VSCode の Markdown プレビュー(拡張機能)や GitHub 上でそのまま図として表示されます。

目次

  1. Databricks とは
  2. 中核概念:レイクハウス(Lakehouse)
  3. プラットフォーム全体アーキテクチャ
  4. 主要コンポーネント・機能一覧
  5. メダリオンアーキテクチャとデータフロー
  6. コンピュートと料金の考え方
  7. 認定資格との対応表
  8. 用語集(英語UI表記つき)

1. Databricks とは

Databricks は、データ分析・データエンジニアリング・機械学習・生成AI を 1 つの基盤 で扱える「レイクハウス(Lakehouse)」型のデータ & AI プラットフォームです。現在は Data Intelligence Platform と呼ばれています。

  • 成り立ち:分散処理エンジン Apache Spark の開発者たちが創業。Delta LakeMLflowUnity Catalog など主要技術の多くを OSS として公開している。
  • マルチクラウド:AWS / Azure / Google Cloud 上で動作。特に Azure Databricks は Azure のファーストパーティ(Microsoft 純正)サービス。
  • ねらい:これまで別々の製品で組んでいた「データレイク+DWH+ETL+BI+ML/AI」を単一基盤に統合し、データとAIの民主化を実現する。

一言でいうと 「データの取り込みから加工・分析・AI 活用までを、同じ場所・同じガバナンスで完結できる基盤」 です。


2. 中核概念:レイクハウス(Lakehouse)

従来は用途ごとに 2 つの基盤を使い分けていました。

データレイクデータウェアハウス(DWH)
得意あらゆる形式を安く大量に保存高速集計・高信頼(ACID)・BI
苦手品質・信頼性・トランザクション非構造化データ・コスト・柔軟性

レイクハウスは、この両者の長所を 1 つの基盤 で両立させる設計です。安価なクラウドストレージの上に、DWH 並みの信頼性(ACID トランザクション)を与える Delta Lake を重ねることで実現しています。

要点:構造化データも、ログ・画像・音声・テキストなどの非構造化データも同じ場所に置き、ETL → BI → AI までをまとめて実行できる。データを複製して別基盤へコピーする必要がない(=単一のコピーを全用途で共有)。


3. プラットフォーム全体アーキテクチャ

Databricks は大きく 4 層 で捉えると理解しやすいです。下から「ストレージ → コンピュート → ガバナンス → ワークロード」。

  • ① ストレージ層:データの実体はユーザー自身のクラウドストレージに Delta Lake(オープン形式) で置かれる。ベンダーロックインが少ない。
  • ② コンピュート層:Spark ベースのクラスター、または管理不要の サーバーレスPhoton という高速クエリエンジンで SQL / DataFrame 処理を加速。
  • ③ ガバナンス層Unity Catalog が全データ・全AIモデルの権限とメタデータを一元管理。
  • ④ ワークロード層:エンジニアリング・BI・AI の各仕事を、同じデータ・同じ権限の上で実行。

4. 主要コンポーネント・機能一覧

4-1. ストレージ/基盤

機能説明
Delta Lakeレイクハウスの心臓部。Parquet + トランザクションログで ACID トランザクション、タイムトラベル(過去バージョン参照)、スキーマ管理、MERGE、CDF(変更データフィード)を提供。
Unity Catalogデータ & AI のガバナンスを一元化。catalog.schema.table の 3 階層で管理し、権限制御・データリネージ(来歴追跡)・監査ログ・タグ付けを横断的に提供。
Delta Sharingオープンなプロトコルで、社外・他組織へデータをコピーせず安全に共有
Databricks Marketplaceデータセット・ノートブック・AIモデルを公開/入手できるマーケット。

4-2. データエンジニアリング(Lakeflow)

Lakeflow はデータエンジニアリング機能の総称。3 つの柱で構成されます。

機能旧称役割
Lakeflow Connect各種DB・SaaS・ファイルからの**データ取り込み(インジェスト)**用コネクタ群。
Lakeflow Declarative PipelinesDelta Live Tables (DLT)宣言的にパイプラインを定義。データ品質チェック(Expectations)、依存関係の自動解決、増分処理を自動化。
Lakeflow JobsWorkflows / Jobsジョブのオーケストレーション(スケジュール・依存関係・リトライ・通知)。
Auto Loaderクラウドストレージに届く新規ファイルを増分で自動検知・取り込みcloudFiles)。

4-3. 分析・BI(Databricks SQL / AI/BI)

機能説明
Databricks SQL (DBSQL)レイクハウス上で DWH 相当の高速 SQL 分析。SQL ウェアハウス(サーバーレス可)で実行。
AI/BI Dashboardsドラッグ&ドロップで作るダッシュボード。
AI/BI Genie自然言語でデータに質問すると SQL を生成して答えるアシスタント。

4-4. AI / 機械学習(Mosaic AI)

機能説明
MLflow実験管理・モデル管理・デプロイの OSS 標準(Databricks が主導)。
Mosaic AI Model Servingモデルを REST API として本番提供。
Mosaic AI Vector SearchRAG 向けのベクトル検索(埋め込み検索)。
Mosaic AI / Agent Bricks生成AI・AIエージェントを構築・評価・運用するツール群(2026 時点の最新領域)。
Databricks Assistantノートブック内の AI コーディング支援(コード生成・修正・説明)。

4-5. 開発環境・その他

機能説明
NotebooksPython / SQL / Scala / R を混在できる対話型ノートブック。共同編集可。
Databricks Appsデータ/AI アプリをプラットフォーム上で直接ホスティング。
Databricks CLI / Asset BundlesCI/CD。パイプラインやジョブをコードとして管理・デプロイ(IaC 的運用)。
Git Foldersノートブックの Git 連携(旧 Repos)。

5. メダリオンアーキテクチャとデータフロー

Databricks で推奨されるデータ設計パターンが メダリオンアーキテクチャ(Bronze → Silver → Gold)です。段階的にデータの品質を上げていきます。

中身目的
Bronze(銅)生データをほぼそのまま取り込む再処理できるよう原本を保持
Silver(銀)クレンジング・結合・重複排除信頼できる「使えるデータ」
Gold(金)集計・ビジネス指標化BI や AI がすぐ使える形

典型的なエンドツーエンドの流れ


6. コンピュートと料金の考え方

  • コンピュート種別
    • All-purpose クラスター:ノートブックでの対話的な開発・分析用。
    • Job クラスター:ジョブ実行のたびに起動・終了する使い捨て(コスト効率が良い)。
    • SQL ウェアハウス:Databricks SQL 用の専用コンピュート。
    • サーバーレス:クラスター管理不要。起動が速く、上記各種でサーバーレス版が拡大中。
  • 料金:利用したコンピュート量に応じた DBU(Databricks Unit) + 裏側のクラウドインフラ費用。使った分だけの従量課金が基本。
  • Photon:C++ 実装の高速ベクトル化エンジン。SQL / DataFrame 処理を透過的に高速化。

7. 認定資格との対応表

各機能が、どの試験でどれくらい問われるかの対応イメージです(詳細は最新の公式試験ガイドを参照)。

機能領域AssociateProfessional
Delta Lake 基礎(テーブル操作・タイムトラベル)
Delta 高度機能(CDF・OPTIMIZE・Liquid Clustering)
PySpark / Spark SQL での ETL◎(コード読解が中心・比重大)
Auto Loader / Lakeflow Connect(取り込み)
Lakeflow Declarative Pipelines(旧 DLT)
Lakeflow Jobs(オーケストレーション)
Structured Streaming(リアルタイム処理)
Unity Catalog(ガバナンス・セキュリティ)○(15%程度)
監視・トラブルシューティング(Spark UI・最適化)
CI/CD(Asset Bundles・Git Folders・CLI)
データモデリング(SCD 等)

◎=重点 / ○=出題あり / △=軽め。Professional は「PySpark コードを読んで挙動を答える」実装・運用寄り、Associate は基礎タスク中心、という違いがそのまま機能の深さの違いに対応します。


8. 用語集(英語UI表記つき)

試験・UI は英語表記が多いので、日本語概念と英語をセットで覚えると迷いません。

日本語英語表記補足
レイクハウスLakehouseデータレイク + DWH
デルタレイクDelta Lakeストレージ形式。ACID を付与
ユニティカタログUnity Catalogガバナンス(catalog.schema.table
フォトンPhoton高速クエリエンジン
宣言的パイプラインLakeflow Declarative Pipelines旧 Delta Live Tables (DLT)
ジョブLakeflow Jobs旧 Workflows。オーケストレーション
オートローダーAuto Loader増分ファイル取り込み(cloudFiles
変更データフィードChange Data Feed (CDF)行レベルの変更履歴
メダリオンMedallionBronze / Silver / Gold
アセットバンドルDatabricks Asset BundlesCI/CD の単位
Git フォルダGit Folders旧 Repos
モザイクAIMosaic AIML / 生成AI スイート

参考リンク

※製品名・機能名は更新が速い領域です(例:DLT → Lakeflow Declarative Pipelines、Workflows → Lakeflow Jobs、Repos → Git Folders)。本ドキュメントは 2026 年時点の呼称に基づきます。